(公社)兵庫県鍼灸マッサージ師会 神戸地区(神戸鍼灸マッサージ師会)の公式ホームページです。神戸地区(中央区、灘区、東灘区、兵庫区、長田区、須磨区、西区、北区)で鍼灸マッサージ施術を行なっているはり師、灸師、あん摩・マッサージ・指圧師の方や周辺地域にお住まいの方への情報提供を目的としています。
去る2023年2月19日(日) 13時30分より3年ぶりとなる神戸ブロック臨床研修会を開催いたしました。今回の臨床研修会は三都ブレインクリニックの久保医師にお越しいただいて「脳外科医が伝える新しい診断法『フォトタッチメソッド』とその先の治療法~鍼灸と漢方を超えて~」と題して、会場・オンライン・アーカイブ受講のハイブリッド方式で開催いたしました。
久保医師は脳外科医としても2000以上の手術や大学病院や多数の病院において診療に当っておられ、豊富な経験と知識をお持ちです。また、東洋医学にも精通されており、漢方薬処方や鍼治療も行なっておられます。また、人間の微細エネルギー場を整えるといったことや、バッチフラワーレメディーやホメオパシー、最近では易なども診察に取り入れられているとのことでした。
講題にある「フォトタッチメソッド」は「患者に漢方の写真を触ってもらい、患者に起こる気の変化を患者及び医師が感じて、適切な漢方を選択する方法」ということで、久保医師が様々な勉強会や書籍などから研鑽を積まれ、写真に触れることで気の変動が起こることを発見され、診断法として確立されたとのことでした。
基本的には対象物の写真に触れて気の変動を感知するようですが、写真を見る、リストに書かれた文字に触れる、音で聞くといったことでも気の変動が起こるとのことで、診察の方法の幅がさらに広がります。
また、フォトタッチメソッドを行うことで、漢方薬や西洋薬、薬の処方量などの診断も可能ですし、他にも患者に合った色や食材、パワーストーンなど、その人に合う、合わないといったことも診断できるとのことでした。他にもお示しいただいた症例では直接コミュニケーションが難しい乳幼児では母親を通して、ペットの犬では飼い主を通して遠隔診断も可能とのことでした。
そして、最後に最近取り入れられている「易」についてご紹介いただきました。『易経』は東洋思想(医学を含む)の基礎の基礎であり、森羅万象の状態・変化を捉えることが出来るということで、フォトタッチメソッドで漢方薬の処方などをしているが治療効果がいまひとつといった場合に易を行なうことで患者が問診で話していないことや気付いていない原因になるような影響を調べることができるということでした。
前半の講義の後、休憩を挟んで久保医師にご用意いただいた食材リストを使用して受講者同士でペアを組んで、実際にフォトタッチメソッドを行い、気の変化を感じ取る体験をしました。その後、久保医師がクリニックで行なっておられる診察の流れをモデル患者に対し実技供覧ということで行なっていただきました。
「気」は目に見えない、形のないものですから、感覚として感じるということになるのですが、これは術者も患者も感受性には差がありますから感じやすい人、感じにくい人がいると思います。このフォトタッチメソッドを臨床現場で活かすには、気を感じ取る感覚の鍛錬も必要でしょうし、工夫が必要だと思います。とはいえ、現役の医師が実際に臨床現場で使用している今回の診断法は鍼灸マッサージ師の診断施術にも応用できる内容でしたし受講された方には大変刺激になったのではないでしょうか。3時間という限られた時間ではありましたし、もっとお聞きしたい事はありますので、またの機会にお願いできればとの思いです。今回、貴重なご講演を行なっていただいた久保医師に改めて御礼申し上げます。
最後に、今回の臨床研修会は対面とオンラインのハイブリッド方式で開催しましたが、カメラのセッティングのためか、プロジェクターの投影像がうまく捉えられず、オンライン受講の方にはご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。また、神戸地区の役員の先生方にはいろいろとご協力いただき感謝申し上げます。
研修会中は質疑応答時間が取れませんでしたので、受講者からいただいた質問に久保先生にご回答いただきました。以下に質疑応答文を掲載いたします。
全く同じ手順で診察をしています。一人の患者さんに5~10分程度しかとれません。だから、ガンの患者さんといえども、特別な、特殊な治療は行ってはいません。いつものように、気の流れをみて、気の流れを整えて、邪気があれば払って、PTMで適切な処方を選択しています。ほとんどの患者さんが、どこかの病院にかかっているのでそれを補助するような治療を目指しています。当院では漢方のエキス剤を保険の範囲内でやっているので、高額な治療費はとっていません. また癌を漢方で治そうとも思っていません。私は現代医学もベースにあるので、現代医学も東洋医学も同様に見比べて、良い方を取るようにしています。代替医療を含めて、適切な治療法を選ぶということもPTMで可能かもしれません。
気の流れを感じることは、鍼灸の治療を真摯にやっていると自然に身につくと思っています。もっと細かいところまで感じるようになるには、気功、瞑想、断食、宗教、神社巡りなどをしても良いとおもいます。自分の中に汚いところがたくさんあるので、それを浄化していくことが必要のようにおもいます。なるべく自分をクリーンにして、ニュートラルにして患者さんに接することが必要になります。自分がニュートラルだと、患者さんの邪気を浴びますが、なるべく高いところにいるようにするとコントロールできるようになります。患者さんと接して、何気なくフット感じる感覚を大事にするとよいでしょう。 その感覚がヒントになって、患者さんの治療の糸口が見つかることがあります。それと、気の治療をしている先生のところで修行すると、その場を共有するのでわりと簡単にわかるようになります。だから、よい師匠につくということは大事です。
術者の感覚を優先すべきです。たしかに、私より気の感受性が敏感な患者さんがいて、最初のころは患者さんが「この漢方はこんな感じがする」とか言うと私は気後れして、自分の判断がグラつくことがありました。でも最近は、霊能者が来ても、占い師が来ても、坊さんがきてもグラつきません。確かにアタマのチャクラが開いて、私より気のレベルが高い人がごく稀に来ます。そのような人は前世が見えたりするようです。でも、医療の現場では、私には高度の経験と知識と技術があるので、患者さんはそれはそれで尊重はしますが、判断はあくまでも術者に従うべきです。気の能力比べが目的ではありません。先の、前生が見えたりする人も、変な霊につかれやすくて困っていました。鍼灸師の先生もプロとして自分の感覚を優先すべきです。そうしていると、またPTMが上手になっていきます。
PTMを広めるためにセミナーを開きたいと思っていますが、どうすれば良いのかわかりません。1回では、なかなかPTMの感覚は伝えにくいところがあります。わかってしまえば、簡単なのですが。今回、食材を使ってやったのは一つの方法でした。1回では無理なら、勉強会、研究会を開いても良いかもしれません。「PTM研究会」とかいうのでもいいかもしれません。いずれにせよ、PTMを使える人を育てたいと常々願っています。 O-リングがこれほど広まっているのなら、PTMがもっと使われてもいいと思います。なぜなら、もっと簡便で有用だからです。本心は「易&PTM」で講座を開きたいと思っていました。でも「易」に聞くと、「まだ早い」と言うので、易ををもっと深めて、しばらくあとになりそうです。PTMに興味がある方がいれば、勉強会、研究会をやってみたいです。
もちろん可能です。術者が言ってもいいし、患者が言ってもいい。音や声に対する気の反応を感じ取れます。たとえば、患者さんが問診のときに「〇〇の薬が内科からでています」と言った瞬間に気の流れがわかるので、PTMをする前に、薬が合ってないか合っているかわかることがあります。さらに、例えば患者さんが明日「九州に旅行にいく」と言った瞬間に、気の流れが良いか悪いかわかるのでその旅行は良いか悪いか大体わかる場合もあります。具体的に何が悪いかは、例えば「易」などに聞かないとわかりませんが、大まかには気の流れで判断できます。 見た瞬間、いた瞬間、触った瞬間、臭った瞬間のフットした気の流れがだいじです。
患者さんと術者は気のレベルで一体化しているので、患者さんの感覚をコピーしている感じだとおもっています。術者には自分の体感覚があるので、その上に患者さんの感覚が乗ってきます。頭痛の患者さんを見るときは頭が痛くなる、めまいの人を見るときはフラフラ感じる、腹が痛い人はこちらも腹が痛くなる。簡単にいうとそのようになります。往々にして、患者さんは自分の異常を感じていないので、術者に指摘されてはじめて分かることもあります。患者さんの気の流れを整えると、苦しい感じが減ってくるので、自分も患者さんも同時に良くなったことを感じます。PTMも全く同じで、漢方を探しているときに、”当たり”の漢方にさわるとフット良くなる感じを両者がうけます。上に書いたように、触った瞬間にフットよくなる感じを大事にします。
治療との相性、術者との相性が当然あります。相性がよいと気の流れがよい。例えば、先日ハーブが好きな人が来られましたが、その人にPTMをやっていると西洋薬は全く反応しない。漢方よりもハーブティーのほうが反応する。つまり、身体や無意識のレベルでその方はハーブを選んでいる。西洋薬をいいと思っている人は西洋薬がよく効く。漢方のように細かくPTMでチェックする必要はない。もともと、繊細でも敏感でもないので、それはそれで良いと思います。ウチにはあまり来ない患者さんです。きても薬だけをだしてOKの人です。それはそれでいい。また、術者が特定の治療法(特定の流派でもいいですが)を身につけたということは、術者とその治療法の相性が良かったはずです。私が脳外科と東洋医学を選んだのも、それらと相性がよかったからです。患者がその治療法を選んで来ているということは、患者とその治療法が相性が良い。もともと術者とその治療法が相性が良いわけですから、イコール(=)で繋がって患者と術者も相性が良いわけです。つまり、「引き寄せの法則」ですべて説明できます。